書 写

@まえがき−創価の毛筆指導の淵源
 本校の毛筆指導では、牧口先生の提唱された「書き方・骨書き透き写し法」をその指導過程の中核としている。これは「楽しくて、わかりやすくて、しかも能率的でなければ創価教育ではない」との牧口先生の教育理念から提案され、その具体的改良法を後世に託されたものである。
 「骨書き応用主義」としての「篭写し」も「骨書き」も”模倣”から”創造”への”架け橋”と云える。子どもたちの、みずみずしい感受性で「文字文化」に肉薄し、その模倣を通して、内なる個性を大きく開花させていくために、目的を明確にした合理的科学的指導原理である。とともに、子どもたちが自らの力で価値創造しゆく「生きる力」を育む指導主義の原理でもある。

 

A毛筆書写指導の過程
1.準備
2.ウオーミングアップ
3.試し書き
4.部分練習
5.篭書き
6.骨書き
7.枠書き
8.臨書
9.暗書
10.後片づけ
1.準備
  用具を整え墨汁を注ぎ穂先を研ぐ(30回)
 
2.ウオーミングアップ
 姿勢、筆の持ち方のチェック
(1)姿勢(背中はピン、左手シタ、おなかはグー)
 ◎正座の姿勢で、左の掌で半紙を押さえて(十時半・45度)、右手で筆を持ったつもりで横画・縦画を書く。
 ◎右腕が下がらないようにするのがポイント。
(2)筆の持ち方(水平、垂直、龍眼)
 ◎腕・手首を前に伸ばして、人差し指、中指、薬指、小指を垂直に折り曲げ、人差し指に筆の軸を添えるように筆を親指とで挟んで持つ。
 ◎中指を添えて、薬指と小指は軽く握って、人指し指と親指の股の所を空間(龍眼)にすることがポイント。
3.試し書き
 お手本を見て書き、比較して、課題を見つける。
(1)お手本を注意深く見て書く。
 ◎できるだけ手本通りになるように書く。)
(2)自己比正
 ◎お手本通りに書けた部分に赤鉛筆で○を、書けなかった部分は赤で修正する。(×はしない)
 ◎手本通りに書けなかった部分や書きにくい所を発表する。
4.部分練習
 問題点を解決するために、穂先の通る軌跡に注意して書く。
(1)穂先の軌跡に注目。
 ◎部分の篭書きを拡大、板書し、穂先模型を使って穂先の動きをよく観察する。
 ◎切り字(赤と黒)を使って、穂先の軌跡を確認する。
 ◎墨汁を付けた穂先に朱墨を付けて、確認したように書けるか試みる。
(2)納得して書く。
 ◎納得したうえで、自分で部分練習をする。
 ◎字の形や太さに気をとらわれずに、穂先の動きに神経を集中させて書くことがポイント。
5.篭書き
 筆圧のかけ具合の感触をとらえるために、画の輪郭を写し取って書く。
(1)鉛筆で書く。
 ◎箱書き(囲い書き)にならないように、画の交差しているところは、交わって書き込むようにする。
 ◎筆の運びと同じ方向の動きで書く。
(2)毛筆で書く
 ◎始筆、終筆(十時半・45度)に注意し、筆圧のかけ具合の感触を感じとらせる。
 ◎部分練習の成果を、一つの字として書くなかで定着させる。
6.骨書き
 穂先の方向をとらえるために、穂先の軌跡を意識して書く。
(1)鉛筆で書く。
 ◎画の穂先の通るところをたどって書く。
 ◎画の上下と左右、払い等の末端まで書く。
(2)毛筆で書く。
 ◎鉛筆書きしたところを、穂先が通るように書く。
 ◎始筆・終筆の穂先の方向に注意する。
 ◎画の接し方に注意する。
7.枠書き
 文字の形やバランスをとらえるために書く。
(1)鉛筆で書く。
 ◎字形や画の長短・方向・上下関係等に注意して枠書きをする。
(2)毛筆で書く
 ◎筆圧や始筆・終筆や穂先の軌跡に注意して書く。
 ◎画の交わる時の左右・上下の長さ、横画の相互関係等に意識を向けさせる。
8.臨書
 お手本を見てしっかりと書く。
 ◎半紙に軽く折り目をつけて、字の中心を揃え、字の大きさ、字配りにも注意して書く。
 ◎お手本をしっかり見て書く。
 
9.暗書
 基本をふまえて、伸び伸びと書く。
 ◎お手本を見ないで、折り目もつけないで、伸び伸びと書く。
 

10.後片づけ
 先ず筆洗いの後、雑巾で拭い穂先を揃え、筆巻に巻いてから、硯石の墨汁を拭き取るのがポイント。

 

 
Bあとがき−伸びゆく子ども達−
 「篭写し」や「骨書き」を通しての子ども達の感想は、@「いつも、普通に鉛筆で『左右』と書いていたときと、書道でやるときと、違うところが一杯あった。」A「『右払い』が上手になった。 とてもきれいに書けた。篭書きは大好きだ。」など自信と喜びを語っている。
 1999年度は、団体賞5(全日本教育書道展で「東雲會会長奨励団体賞」、日本学書展で「学校賞」、全国書画展で「学校奨励賞」、全国書きぞめ作品展で「全国優勝」、日本書初め大展覧会で「全国優良団体賞」)を子ども達の全員の努力で受賞した。個人賞では、1204名が入賞した。3年生から6年生までの児童の2.6倍。1人平均1年間に2〜3枚の表彰状を受賞したことになる。その中には、特別賞として「文部大臣賞」「郵政大臣賞」「毎日小学生新聞賞」「千葉テレビ賞」などが含まれている。